発音をめぐる冒険('12) 第6回

一月ほど前からジムに通いだしました。トレッドミルでウォーキングしている最中、マシンに備え付きの小型テレビでなんとはなしに放送大学を視聴することがあります。文系人間なので、物理やら数学やらの番組が始まると他のチャンネルに切り替えてしまうことが多いのですが、語学や歴史、文学、芸術などはとりあえず見てみます。案外知的好奇心を刺激してくれる面白い科目も多いです。
学問に触れるのって楽しいですよね。社会人になって仕事に追われる今だからこそ強くそう思います。


おとといの金曜日はちょうどアイルランド訛りに関する英語の番組が放映されていました。後で放送大学のHPで調べたら「発音をめぐる冒険('12)」という授業だったようです。


日本人講師の方が、イギリス英語とアイルランド訛りの英語の発音の違いについてやアイルランドでの生活についてなどを、ネイティブのアイルランド人の方にインタビューしている場面がありました。アイルランド文学や国民的詩人イェイツにまつわる話が面白かったです。20歳くらいのまだ若い頃にロンドンでホームシックになりながら書いた郷愁あふれる詩について、「晩年のイェイツ本人が詩を朗読した音源をネットで聞いたことがあるが、社会的地位が高くなってからの朗読だったので権威的な読み方だった」というエピソードが語られていて興味深かったです。あと、アイルランド語で「乾杯」は「Slointe」と言う、とか豆知識も得ました。


余談ですが、ネイティブの年配の男性講師がやたらとセクシーな美声で少しびっくりしてしました。深くて低くて、ちょっと腰にくるような凄い声だった……(笑)。その先生、ステュウット・ヴァーナム・アットキン(Stuart Varnam-Atkin)氏というイギリスの方だそうです。肩書きに「放送大学客員教授」等と並んで「俳優」が入っており、納得。どおりで声が良い訳だ。