巾着田の曼珠沙華とコスモス



先月(2010年9月)の末、朝から秋晴れのすばらしい青空だったので、少し遠出をしてきました。
行き先は、埼玉県の真ん中辺りに位置する日高市、そこを流れる高麗川沿いの巾着田曼珠沙華とコスモスを見に行ってきたのです。


私は毎日JRを利用して通勤しているのですが、この巾着田曼珠沙華まつりを紹介したポスターが乗り換え駅に貼られており、以前から気になっていました。曼珠沙華大好き人間というわけでもないけれど、辺り一面真っ赤な花が咲いている景色となると俄然観てみたくなります。


日高市・曼珠沙華の里「巾着田」公式ホームページで調べてみたらちょうど開花時期でしたし、入園料も200円と安く、良い機会だから行ってみよう!と思い立ちました。ちなみにこの公式サイト、写真も開花情報も更新をまめに行っていて(シーズン中はほぼ毎日やってるのでは……?)、とても親切です。デザインもシックでなかなか良いと思うなー。


自宅の最寄り駅から電車とバスに揺られること数時間。
巾着田に到着してみると行楽日和のおかげか、家族連れ、老夫婦、友人同士、カップル、ペット連れなどたくさんの観光客と地元の物産店でとても賑わっていました。


曼珠沙華

高麗川流域に広がる巾着田は、国内有数の曼珠沙華の群生地です。その数、なんと約100万本!


たくさんの曼珠沙華が咲いている様子はやっぱり圧巻でした。
辺り一面ほんとうに真っ赤っ赤。この赤がすごく鮮やかです。
一度にこんなに大量の曼珠沙華を見てると、なんだか異世界に迷い込んだみたいでとても不思議な感じがします。
感動するわ〜。


なぜ巾着田にこれほどの群生地があるの?
と疑問に思って公式サイトを見てみたら、

河川の増水時等に上流から流れてきた物の中に混じっていた球根が、漂着し根付いたと考えるのが妥当。     

とのこと。




“天上の花”を意味する、曼珠沙華マンジュシャゲ)。
お彼岸の時期に花が咲くので、彼岸花ヒガンバナ)。
その他、死人花(シビトバナ)、地獄花(ジゴクバナ)、幽霊花(ユウレイバナ)、剃刀花(カミソリバナ)、狐花(キツネバナ)、捨子花(ステゴバナ)、はっかけばばあ、など。
いろいろな名前があり、しかも不吉なイメージの名前が多い花です。


私はなんとなく語感が好きなので曼珠沙華マンジュシャゲ)と呼んでいます。


花の赤も鮮やかで綺麗だけど、茎の緑もみずみずしい。

突き抜けて天上の紺曼珠沙華

という山口誓子の俳句がありますが、曼珠沙華って本当にすっと真っ直ぐに立っていますね。 








こうやって見ると、とても華やかな造形しているなぁ。




私を含めカメラを手にした観光客がたくさんいました。三脚や一眼レフの本格的な装備をした方から、地元テレビの取材班、さらに意外なところでは紫の着物を着た若いコスプレイヤーのお姉さんなども。コスプレイヤーさん同士で撮影会をなさっているようでした。確かに、これだけの曼珠沙華なら雰囲気のある写真が撮れそうですね。



クヌギの林の中に群生地があるので木漏れ日が落ちています。



白い曼珠沙華も見つけました。赤いイメージがとても強かったのでびっくりです。この白い花が道端に咲いていても曼珠沙華だって気付かないかもしれないなー。



高麗川


写真の奥に見えているのは、高麗川の水面です。
巾着田と呼ばれる土地は蛇行した高麗川にぐるりと三方を囲まれており、曼珠沙華の群生地は川の流れに沿うようにして広がっていました。



高麗川の水は透き通っていてとても綺麗!



川原には水遊びをしている人や写生をしている人、レジャーシートを敷いてお弁当を食べている人などもいました。お天気の良い日に綺麗な川と真っ赤な曼珠沙華に挟まれてお昼なんて素敵。私もレジャーシート持って来ればよかったなあ。



高麗川巾着田の地名の由来に深く関わっています。直径約500メートル、面積約22ヘクタールの川に囲まれたこの平地は、川の流れによって長い年月をかけて巾着の姿を形づくった土地だから「巾着田(きんちゃくだ)」と呼ばれているんだとか。





コスモス畑


巾着田には曼珠沙華の群生地だけでなく、広大なコスモス畑もあります。
ここは開放感があって気持ち良かったです。



コスモス可愛いわ〜!!秋の桜と書くだけあってとっても可憐!




摘み取るのは厳禁の曼珠沙華とは異なり、コスモスの方は料金を支払えば摘み取って買うことも出来るようです。





コスモス畑の奥には、地元の名産品や軽食を売っている売店が数多く並び、賑わっていました。お弁当、狭山茶、焼きそば、おでん、ペットボトル、婦人服、など。


私は地元のお醤油を使った焼き団子を買って食べました。香ばしくて美味しかったです。高麗郷醤油といって有名らしく、巾着田のすぐそばにあるセブンイレブンに入ったら「高麗郷醤油で作った焼おにぎり」というのも売っていました。埼玉県の坂戸・日高・東松山・飯能・入間・狭山のセブンイレブン80店舗での限定販売なんだとか。



アクセス

巾着田へは、観光バスで遠方より着ている方も多いようですが、電車で行くなら主な最寄り駅としては、西武池袋線高麗駅と、JR川越線八高線高麗川駅の二つ。



私は高麗川駅から国際興業バスに乗って巾着田へ向かうルートを選びましたが、もともとバスの本数が少なめなのと、観光の時期は渋滞のためバスが時間通りに来ないというのが重なって、30分くらい高麗川駅で待ちました。


徒歩だと高麗川駅から40分かかるのに対して、高麗駅からだと15分程度とのことなので、高麗駅から歩いて巾着田に行くというルートの方が楽かもしれませんね。


自家用車で行くのは渋滞が凄いのであんまりおススメしません。


余談になりますが、やっと来たバスに乗り込んだところ後ろの席のご婦人が「シャクナゲ早く見たいわ〜」としきりに言っていて、「シャクナゲではなく曼珠沙華ですよー!」とツッコミたくてたまらなかったです。「シャ」しか合ってない……!


まとめ

秋の巾着田、とても良かったです。曼珠沙華の群生地は感動しますし、コスモスの可憐さにはときめきました。開花時期を見計らって行くことをオススメします。