駅前に海が広がっている尾道の住民が羨ましい

今年(2009年)の夏は、広島県にも行ってきました。広島市内や宮島、尾道、福山などをまわってきましたよ。


まず尾道観光の様子から紹介していこうと思います。
尾道広島県の東部、福山と三原の間に位置し、瀬戸内海に面した東西に細長い街です。
お寺や坂道で有名。


尾道水道


尾道駅の目の前のロータリーを抜け、道路を渡るとそこには海が広がっています。細長くてパッと見川のように見えるそれは、尾道と対岸の向島という島が形作る尾道水道でした。


『放浪記』の林芙美子さんじゃないけれども「海が見えた。海が見える」と思わず呟きたくなっちゃう景色です。


駅前が海って本当にいいなぁ。海の見える駐輪場とか素敵だし、毎朝波や船や桟橋を見ながら通勤・通学をするのって楽しそう。住民の皆さんが少し羨ましいです……!



海沿いには、綺麗に整備された道が続いていました。


ベンチが置かれて配慮もされていますし、お散歩したりジョギングしたりできるようになっています。
芝生も緑が鮮やかで、よく手入れされた明るい景観が保たれています。
この道のお散歩、気持ちよかった――!


っていうか海にも山にもアクセスできるなんて、なんて羨ましい立地なんだ尾道……!









海にちょっと近づいてみました。



船がいっぱいある……!!
瀬戸内海の波は聞いていた通り本当に穏やかで、なんか感動するなー。
日本の海というと私はつい日本海のように荒波がざっぱーん!と岩に砕け散るようなイメージを思い浮かべてしまうのですが、この穏やかで凪いだ海というのも素敵。



尾道ウォーターフロントビルから見た風景。
このビルには尾道駅前港湾駐輪場というレンタサイクルを貸してくれるところがあるらしいですよ。
自転車で尾道市内や尾道今治を結ぶしまなみ海道を行くのも楽しいでしょうね。





対岸の向島には工場らしき建物が並んでいます。



  
遠くからでも向島の大型クレーンはいっぱい見えます。



写真で見ると本当に向島は近い。目と鼻の先という感じ。



海面がキラキラしてる…!海を見渡せる桟橋のベンチに並んで座るって、かなりグッとくるシチュエーションですよね。友達でも恋人でもいいから、恋についてとか将来についてとか無駄に熱く感傷的に語り合って青春したくなる〜。



この桟橋の先端には二人の小学生くらいの男の子がいて釣りをして遊んでいました。
朝、結構早い時間帯だったのに元気ですね。兄弟?それとも友達同士?
夏休み中、遊びまわるんだろうなー。



この船は福本渡船という対岸の向島との間を行ったりきたりしている船のようです。
本州側に着くと、中からバイクに乗ったサラリーマン風の人や、自転車に乗ったセーラー服姿の中学生らしき女の子が飛び出してきて、そのまま道路を駅の方向へ走り去っていきました。
きっとこの船は地元の方の生活に密着した移動手段なのでしょうね。
普段は交通機関といえば電車と車と自転車が主なので、船を日常的に使う生活ってなんか憧れるわ。



上の写真に写っている船を遠くから撮ったもの。


向島との間の行き来は、この福本渡船を含めて四本の航路があるそうで、どこも頻繁に運航しているみたいです。
しかも値段も60円から100円くらいとお手ごろ。料金上乗せで自転車も一緒に乗れることもあるそうな。
車で行きたい方は尾道大橋新尾道大橋をどうぞ。
ちなみに対岸の向島とは約200メートル位の距離らしいので、泳ぎに自身のある人は泳いで渡ってみるのもいいかもしれません??



船だけど、朝の駅の駐輪場を思わせる混雑ぶり。


たぶん地元の人から見れば何てことない日常の風景なんだろうけれども、普段海辺とは縁の無い土地に住んでいる人間からしたら、海と船がナチュラルに見えるというただそれだけでテンションが上がりまくりでした。見るだけでとても楽しかったです。


尾道を代表する文化人、林芙美子の像

尾道駅近くのうず潮商店街の入り口には、作家林芙美子の像があります。


 彼女は、尾道尋常小学校卒業と尾道市立高等女学校(現広島県立尾道東高等学校)通い、尾道が登場する自伝的小説『放浪記』を書きベストセラーになりました。


この街と縁の深い有名人として彼女の名前は尾道のそこかしこで取り上げられており、地元を盛り上げようとする街の人の意気込みが伝わってきます。











『放浪記』の一節。


この像は伊予銀行尾道支店のすぐ前にあるのですが、その支店には窓に『放浪記』の一節が書かれた紙がたくさん貼ってありました。なるほど、こういう地域密着志向の表明の仕方もありだなぁ。四国出身なのに尾道にしっかり根付くとは、やるな、いよぎん。
 

そういえば今週水曜(2009年9月9日)の日経新聞に、作家林芙美子のことが載っていましたね。従来、彼女の愛誦した詩として知られる「花のいのちはみじかくて苦しきことのみ多かりき」に、別バージョンが発見されたらしい。

作家直筆の未発表の詩が見つかり、こういうくだりがあるという。
「花のいのちはみじかくて
苦しきことのみ多かれど
風も吹くなり
雲も光るなり」
これこそ原典ではないか、とのことだ。
   [略]
「苦しきことのみ多かりき」。こう言い切りたいときもあるけれど、人生は「風も吹くなり雲も光るなり」。少しばかり勇気がわく。

ちょっと良い話。



おまけ 尾道駅には「われは海の子」が流れている


駅前周辺のことばかり書いたので、最後に尾道駅自体の写真なども載せてみます。



写真中央にあるオレンジ色っぽい赤い屋根の建物が尾道駅でした。
平屋建てで可愛い。
ところで気になるのが背後の山のてっぺんにあるお城です。あれは何なんだろう?
ちょっとこの写真だと見づらいですが、白い和風のお城が建っているのです。


 尾道に滞在していた時ちょうど衆院選に向けての選挙活動の時期でした。
駅のロータリーで演説してる候補者も見かけました。テレビの取材も来てたから有名な政治家だったのでしょう。
 大勢の人に囲まれて演説してる候補者よりも、その人の輪からちょっと離れた歩道橋で、階段に腰掛けてお弁当を食べながら演説を聞いていた80歳くらいのおばあさんの方が印象に残っています。
お弁当がまるで日本むかし話に出てきそうな、笹の葉に包まれたおにぎりだったので。美味しそうだった。



尾道駅のホーム。電車が入ってきたとき、海辺の町らしく「われは海の子」のメロディが流れてきました。


赤い駅舎です。




まとめ

尾道は駅前周辺の尾道水道が見えるところが楽しい!
今回は尾道に一泊しかしなかったので、街中は見て回れたけれど、しまなみ海道とかには行けなかったのがちょっと心残りです。
潮風に吹かれながらサイクリングしてみたかった……!
次の更新は、千光寺公園についてです。