震災、そして今年も春は来た


2011年3月11日に発生した、東日本大震災
宮城県沖を震源地とするマグニチュード9.0の大地震、太平洋沿岸部を広範囲に襲った大津波、そして福島原発の事故。


あれから1カ月以上が経ちましたが、進まない行方不明者の確認、終息の兆しが見えない原発、避難所生活が続く被災者たち、など心の痛む報道は続いています。いまだ落ち着かない日々を過ごしている方も多いことでしょう。
幸い私自身と家族、友人知人はたいした被害はありませんでしたが、仕事先では本人やご家族が被災した方々に何人か会いました。


50代のご夫婦は、福島県双葉町から関東に避難してきた方々でした。「原発から10キロ圏内だから、ほとんど何も持ち出せずに家から出てきた。保険証やキャッシュカード、印鑑は持ち出せたけれど通帳は置いてきてしまった。盗まれたらどうしよう」と不安を吐露していました。次の住処も決まっていない彼らになんと声をかければいいものか。言葉もみつからず、ただ「お二人がご無事で何よりでした」としか言えませんでした。


また、「これから旅行に行くんですよ」と仰っていた60代の男性がいて、「ご旅行ですか、楽しみですね。どちらに行かれるんですか?」と返したら、「いや実は旅行といっても観光じゃなくてね、東北に行くんです。親戚が岩手と宮城に居て、家を失ったもんだから迎えに行くんだ」と教えてもらいました。印象的だったのが「まさかこんなことが起きるなんてね。信じられないね」としみじみ何度も呟いている姿です。


2011年3月11日。
あの日以来、大きく将来の見通しを変えざるを得なかった人々、そして断ち切られてしまった人々がたくさんいるんだなぁと思うと心が重くなります。


そんな気の滅入る毎日の中で、今年も春が来ていることに気づきました。
花が咲いてる!














春だなぁ。
綺麗な春だなぁ。
なんか少しナーバスになっていた心がウキウキしてくるわー。





春の花の代表・桜に関しては残念ながら、バタバタしているうちにいつの間にか私の住む土地では散ってしまいました。もはや葉桜の風情も漂いつつあります。



その一方で、緯度の高い東北ではちょうど今が見頃なんだそうですね。

宮城・名取 被災した人たちが花見

宮城県名取市で、被災した人たちが、避難生活が長引くなか、気分転換を図ろうと、花見をして、見頃を迎えた桜を楽しみました。桜を楽しんだのは、名取市の館腰小学校で避難生活を続けている、閖上地区の住民およそ80人です。


北の春は美しいと聞きます。どうか桜が被災した方々の慰めとなりますように。