ロンドンオリンピック開会式の選手団入場が楽しい

特に意識していたわけではないのですが、今朝は自然と4時55分に目が覚めました。となればやることはひとつ。
ロンドンオリンピックの開会式を観る!
テレビの前に座ってわくわくしながらNHKの午前5時からの放映を観ました。


英国の田園風景と産業革命の演出、エリザベス女王とジェイムズ・ボンド、ボートに乗って聖火を運ぶベッカム選手、ポール・マッカートニー氏のHEYJUDE、選手&審判&コーチの宣誓などいろいろ盛りだくさんでしたが、印象に残ったのは、なんといっても各国選手団の入場行進です。


ただひたすら人間が手を振りつつ歩いていくだけの映像なのに、なぜこんなにも魅入られてしまうんだろう……! 本当に面白かった〜! 長かったけど、最初の入場国ギリシャから開催国で最後のイギリスまで全然飽きなかったです。


選手の皆さんがね、とても嬉しそうで物凄く良い笑顔なんですよね。顔がきらきら輝いてます。体全体を使って大きく手を振ったり、リズムをとって体を揺らしたり、ぴょんぴょん飛び跳ねたり。喜びいっぱいな様子になんだかこっちまで嬉しくなってしまいます。人種も違う、国籍も違う、言語も違う、住環境も違う、政治信条も違う、たくさんの人が世界中から集まってきて一つの大きな祭典を行うっていうのは、やっぱり凄いことだよな〜としみじみ感じ入りました。柄にもなく少し感動してしまいます。




日本の選手団

心待ちにしていた日本選手団は、95番目に日の丸カラーのファッションで登場でした。男女ともに、赤いジャケット、白いパンツ。女性の首元には白ベースに黒の模様が入ったスカーフも。

シンプルで日本らしいので、私はこのスタイル結構好きです。ごちゃごちゃさせず、配色を絞るその潔さが良い。

一方、赤の上着と白のボトムって昭和の東京五輪のイメージが強いせいか、なんとなく定番路線で無難にまとめたという印象を受けるのも確かです。デザインは高島屋だそうで老舗百貨店ゆえの正統派っぽさが評価されたのでしょうが、次回はもうちょっとスタイリッシュなデザインのユニフォームも見てみたいですね。


日本の選手団でもう一つ印象的だったのは、旗手以外の選手たちが手に持つ小さな国旗です。各々が日の丸とユニオンジャックの2つの旗を振っていました。
他の参加国の選手の中にも英国旗を持つ人はまれにいましたが、大規模&組織的にやっていた国は少なく、たぶん日本とブラジル、コロンビアくらいかな? あと、チラッと映っただけなので断言できませんがカタールもそうかも。
日本の選手団は今回のロンドン大会の前にも、2008年の北京大会では中国の国旗、2010年のバンクーバー大会ではカナダ国旗を日の丸とともに振っており、ここ数年の開会式ではお馴染みのアピールになっています。開催国への敬意と友好を示すためのこの慣習、悪くないなぁと思いました。




色とりどり

今回、選手団入場を見ていて改めて感じましたが、日本のように国旗が赤と白の2色のみを使って構成されている国って結構あるんですね。オーストリア、カナダ、デンマーク、スイス、グルジアインドネシアポーランドなど。


どこの国も国旗の色は衣装に取り入れようとするもの。日本は赤白の上下でしたが、他の国はどうコーディネートするんだろうと興味深く見ていました。

  • オーストリアは白シャツ+赤ジャケット+ベージュのパンツ。
  • カナダは赤地に白いラインの入った上着+ベージュのパンツというジャージ姿。
  • スイスは白シャツ+赤いセーター+グレイのスーツ上下。

なるほど、やっぱり赤と白にもう一色加えるならグレイやベージュなどの大人しい色になるんだなぁ。赤ってかなり強い色なので、それにうまく合わせるにはセンスがいると思います。
まだナショナルカラーが赤+白ならいいけれど、スペインや中国のように赤+黄の2色だとどちらも主張の激しい組み合わせなのでコーディネートの難易度高そうだなぁ。


さて、赤と白以外では、ビビッドな緑と黄色の組み合わせもとても印象的でした。ジャマイカとブラジルのナショナルカラーです。いかにも南米の国って感じがしていいですよね。これがまた褐色の肌の色に映えて似合うんだよなぁ。


あとは、スウェーデンパステルカラーの色使いも素敵でした。明るい水色と黄色のストライプの上に、白いボトムなんですよー。この北欧チックでキュートなデザインの服を長身で体格の良い選手たちが着てると妙に可愛らしくて良かったです。


そして入場するときに一際大きな歓声で迎えられたアメリカ。ここのラルフローレンがデザインしたユニフォームも格好良かったです。紺のブレザーに赤+白+紺のネクタイを合わせ、白いボトム、ベレー帽はなんとなく軍服っぽく、アメリカらしいなという印象を受けました。メイド・イン・チャイナだったために米国内では大批判の的となりタイム誌の選ぶ2012オリンピックのワーストユニフォームになった経緯がありますが、デザインそのものは私は結構好きでしたよ。


ちなみに開催国のイギリスは、襟などに金色のアクセントがついた白いジャージ姿で登場でした。金か!そりゃ確かにオリンピックにおいて金色は重要な色だろうけど、ここまで堂々と使うとは。さすが開催国、気合が入ってます。



民族衣装の選手団

民族衣装を着て入場してくる選手団がいるとついじっと見てしまいます。

ナショナルカラーを取り入れたといってもスーツ姿やジャージ姿が多い中、プレタシをまとったサモアの女性、長いキラの裾をなびかせて歩くブータンの女性、鮮やかな色のブブを着こなすギニアの女性などには目を引かれました。男性陣も、メキシコはカラフルで楽しげだし、ブルンジなんて槍まで携えてきてて非常に興味深い。クウェートサウジアラビアアラブ首長国連邦などはこれぞ中東!という感じで格好良かったです。

基本スーツ姿だけど頭部だけは鮮やかな黄色いターバンを巻いたインドの男性たちのように一部だけ取り入れるとか、フィジーやモンゴルのように旗手だけがっつり民族衣装を着るというのも目に楽しいです。

その他、カタールブルキナファソカメルーンジブチガンビアインドネシア、マレーシア、マリ、マーシャル諸島、ゴーリタニアなど、民族衣装で出場した選手団はやはりアジアやアフリカ、南米の国々に偏っています。これらの国々に加えてもっと多くの国が民族衣装で入場してくれるととっても個人的には嬉しいのですが、なかなか「その国の国民ならその国の民族衣装を着ろ」なんて無邪気に言えない時代ですよね。民族衣装への価値観は人それぞれですし、政治的な諸々が絡んでいるものであって、移民や国際結婚が増えた現代にあっては「伝統だから」では強制できない。そもそも日本も着てないので他国のこと言えませんし。

それでも、華やかな民族衣装が消えて全員がスーツやジャージの五輪開会式を想像するとちょっと味気ない気がします。



*

入場視聴が楽しすぎて、私、実は今日1日で3回も見てしまいました。ロンドンで開催されるのは3回目だとか、サウジアラビアブルネイなどでは今回初めて女性がオリンピックに出場することになったとか、インデペンデントアスリートという枠で個人でオリンピックに出場する人たちがいるとか、解説を聞いていて初めて知ったことも多く勉強になりました。


既にサッカーは男女ともに幸先のいいスタートを切っており、今日もさっそく柔道やバレー、競泳の試合が始まっています。日本選手のみなさんの活躍をおおいに期待してます!